深海の水のように

研ぎ澄ませ心を

未来記の番人 名古屋公演

未来記の番人 3/27 夜公演 @名古屋

 


これ〜〜〜〜〜〜!!!!これが見たかったんだよ!!!!となりました!!!!!これだよ!!!!

とっつーと、とっつーのお芝居スタイルにとてもぴったりな作品と作風と役で、びっくりするほどよかったです!!

作品自体も得意分野(得意分野)で、すごくよくって大満足でした!!!!!

原作は読んでから見ました!

 


始まるまではなんか、報道の影響で一種異様な緊張感というか、開場前に近くにいた男性が「(見るか)迷ったけどこの目で確かめようと思って来た」と話していたり、下手前列にがばっと空席ゾーンがあったり、娯楽舞台を見に来たとは思えない空気感で部外者のわたしもちょっと緊張していました(笑)


さらに純粋に作品についての前評判もわりと賛否あり、とてもドキドキしていました。でもおたくの感想で歌とか踊りが唐突でよく分からないって言われる作品はだいたい好きなので、未来記もたぶん好きだろうなと、けっこう期待していました。

 


めっちゃ好きでした(ちょろおた)

めっっっっちゃ好きでした。

 


とっつーのお芝居が作品にぴったりでとてもよかったです。とっつーのお芝居って、すごくお芝居っぽいセリフ廻しと強い眼力で、作品の雰囲気とちょっと違うなと思う時があるんですが、千里丸はそれが全ていい方に作用して、未来記の作品もわりとファンタジーっぽいというか、いかにもフィクションな感じがあるので、それが本当に世界に馴染んでいたのがよかったです。


あとは千里丸に陰の部分があるのがすごくとっつーに合ってるなと思いました。原作よりだいぶ朗らかでハッピーなキャラになってますが、アエラで根暗って言ってたけど、そのナチュラルボーン陰の感じなのか、ダンスカンタービレで悶々と悩むのに違和感なくちょうどよくて。でもとっつーが言ってた原作の千里丸の嫌さはあまりとっつーの千里丸からは感じなかったので性質はたぶん原作とは少し違うと思うんですが、でもすごくよかったです。ダサくも嫌な奴でもなかったよ!


それと、千里丸がとてもいい感じに客席の緊張を和らげていたかなとも思います。やっぱり全員が全員それぞれ微妙に緊張していたと思うので、体感ですけど。けっこう客席から千里丸への笑いが起きていて、なんか、あんなにジャニーズ舞台の主演のジャニーズ(しかも女子アイドルとのラブシーンあり)の好感度が高いことって珍しいので、それも面白かったです。隣の席の紳士がすごい笑っていたのがよかった。

元から面白シーンがいっぱいなのもあるけど、とっつーの千里丸がほんわかした可愛さだからより一層なごむ、という感じな気がします。本当にかわいい。


またほんわかした千里丸とピリッとかっこいい士郎左の対比がね!よかったんですよね!このコンビ本当によかったです。

 

 

 

松田さんの士郎左は本当によくて、松田さんは初めて拝見したんですが、なんかもうめちゃくちゃよかったです。声も立ち姿も全部よくて、もちろん芝居も最高に良くて、武士っぽいちゃんとしたかっこよさがあるのが特にいいなと思いました。相手役と思うとわりと年上で驚いたのですが、若手枠かベテラン枠かの間くらいなのかな?若手枠かな。でも大人だから出せる激シブな魅力というか、落ち着きというか、安心感がありました。

声がやっぱりめちゃくちゃいいですね。宝塚の男役の方みたいだなと思いました。なんか、何だろう?

けっこう序盤ですでに汗が垂れてたのがすごい印象的でした。ワー!!ってなって双眼鏡構えました(笑)

あと終盤?四天王寺で、たぶん千里丸が舞台上で殺陣やってて、それを上の階から天海、士郎、紅羽、道啓が見てる?ところで背を向けてちょっとだけ見てる後ろ姿がかっこよくてかっこよくて・・・・・・かっこよかったです・・・・・

あとは蔵人と千里丸に割って入るシーン!!!千里丸を助ける士郎左!!!!

待ってました!!!!!!!!!って叫んで立ち上がるところだった。危ない。

でも本当にかっこいい!

ここから殺陣のくだりで士郎左のあまりのかっこよさに泣いてました。そんなかっこいいことある??


この四天王寺の辺りから(それまでもまあまあありますが)けっこう士郎左って原作とキャラが違うんですよ。

特に千里丸との関係ですが、本人の部分も。


で、そこから、紅羽によって自分の意志の存在とかについて考えた千里丸が士郎左を誘うというか、働きかけて、士郎左もちょっと目が覚めて、天海殿について行くのが本当に正しいのか疑問に思って、自分の意志とかに気づいた感じになるんですよね。

天海殿が自分の本心を教えてあげるとこ、千里丸がスローで殺陣してるの(しかもけっこう劣勢なの)がめっちゃドラマチック演出でいいですよね。友達が傷ついて上司から最低なこと言われて。


ここで生かしてはおけない(ストーリー展開というか作品における役割的な意味で)になるのはとても分かる。そういうの好きです。ありがとうございます。原作の天下泰平のために異能を守って死ぬのもめちゃくちゃかっこいいけど、舞台版では過去のモチーフなのに未来に向いてしまったので殺されるのも大変好きです(思考の飛躍かもしれんけど)。これはこれでたいへん萌えます。

 


ここからの千里丸とのくだりよ!!!!!!!!!!!

ずっと泣いてたけどここでよりざぶざぶ涙が溢れてきました。あれ・・・・・・すごい・・・・・・・・・

泣きすぎてあんまり覚えてないんですけど、士郎左の魂との対話がすごくいいですよね。

刀と柿の話が本当に良くって、この良さって序盤にある刀と柿のくだりで、士郎が昔からちょっと変わってしまったのが分からないと良さが伝わりづらい気がするんですが、めちゃくちゃよかったです。なんか、あの会話がせつないポイントとして自分の中でしっかり残ってたんですよね。

さらに序盤の刀と柿のくだりのためには、士郎(千里丸も)が変わってしまう前、冒頭の島原でのあの一瞬のやりとりで島原の乱までの2人の関係を全て理解させないといけないのですが、

めちゃくちゃよかったです。

アイコンタクトで信頼関係が全てわかる。さすが、松田さんの配信でアイコンタクトめっちゃする話を聞いたんですが、本当にその成果って感じで、全てがあの一瞬にありました。

とっつーの目のお芝居がよかったのもマスク生活の賜物なのかな?


そして千里丸との関係について、舞台だと"友"って明言されてるんですよね。しかもかけがえのない真の友って。

はぁ〜〜〜〜〜〜〜(クソデカため息)


ここで千里丸と士郎左のお芝居が激アツすぎて、士郎左が行ってしまってからの千里丸の切り替えが早くて、すぐ紅羽にいったり、最後の旅に出るところで島原に士郎左の魂(託された刀)を置きに行くところで嘘でしょ!!!!????となってしまった。

フォロワーさんから"千里丸と紅羽は未来だけど士郎左は過去だから、島原に置いていくしかないのでは?"と教えて頂いてなるほど!!!となったのですが、原作は士郎左は桜の所に行きたかったから島原に行きたいって言うけど、舞台では先述のとおりに千里丸の誘いで目覚めてるんですよね。で、刀を託すんですよ。

刀を託すんですよ。

わたしの記憶ではこれは島原に置きに行ってほしいとは言ってないし、というか舞台の士郎左は桜とか島原とかにそこまでの執着も無さそう(?)だし、これ、自分の代わりに未来に連れて行ってほしかったのではないかと思うんですよね。だって魂を渡すって。だから個人的には、過去のものとして島原に葬るよりも一緒に持ち歩いてほしかった・・・・・・・・これから始まる千里丸と紅羽のイチャラブ2人旅に士郎左は邪魔とは思うが・・・・・・・・・・(それは本当にそう)


でも島原に置きに行くのが疑問な話は、とっつーが過去を捨てながら生きていくタイプじゃないっていうイメージがあるからかもしれないです。とっつーは過去と決別するよりこれまでの今の積み重ねのイメージが強くて。先入観が無かったらもう少し印象が違ったかもしれないですが・・・・・

でもとっつーが愛知県のことずっと産まれた所って大切にしてくれるの嬉しいです!いつもありがとう!愛知県民より!

 

 

 

話は変わって、千里丸と紅羽については盛り上がりポイントがいっぱいあるのでもっと説得力があるとよかったかも・・・・!名古屋公演は千里丸と士郎左がアツ過ぎてちょっと比重が・・・・・!

聞いたところによるとわりと演出が変わってた(千里丸と紅羽のシーンが減った)みたいで、東京公演は見れてないので、最初にやりたかったもの、見せたかったものは見れてないんですよね・・・・・・・・・残念・・・・


千里丸と紅羽について、とっつーと惣田さんのかわいいのジャンルが似てるので、とてもいい組み合わせでかわいいペアだったと思います。2人とも癒し系で、一緒にいると和みます。とても安心して見れる感じでよかったです(ラブストーリーが苦手なおたく)

惣田さんとっても可愛かったです!歌とか踊りとかの美しさは神秘的なんですけど、普通にしている時は親しみやすいというか、ふわっと優しい雰囲気で紅羽に合ってると思いました。


でも惣田さんへの感想は大阪公演に取っておきます(めちゃくちゃいいらしいので)

 

 

 

大川さんの蔵人もとてもよかったです。ちょっと世界観が違う所がすごく強キャラっぽくて、そのまま出す演出がすごく面白かったです。大衆演劇の方なんですね。殺陣も蔵人の殺陣になると急に大衆演劇チックになって、とてもかっこよかったです。急に相手も自分の世界に引きずり込むのが魔法使いというか、まさに忍術みたいな感じでした。


大川さんの世界観もとっつーのあの感じも冨岡くんのアクロバットも惣田さんのミュージカルっぽさも松田さんの真っ当な感じも、みんなでひとつの世界に合わせるのではなく、それぞれの出演者がそれぞれの世界をぶつけ合って、それで調和が取れているのが面白かったです。作中の異能だけじゃなくて畑違いの俳優の異種格闘技戦みたいな。すごくいい。

 


まとめてしまって申し訳ないんですが、ベテラン勢のみなさんが素晴らしい!!ベテラン枠の方がちゃんとしているお芝居っていいですね。たま〜にジャニーズ舞台だから舐めてるのかただ本当に稽古期間が短すぎなのか、そうではない舞台に遭遇するので、本当にありがたいです。

みなさん存在感もあり、問題なくセリフも聞き取れて、オーラというか、出てきた時にすごい人だ!って感じになるのが、いいですね。しっかり固めていただいていたのがとても良かったです。

 


桜については、なんか千里丸の夢に出てきた時に思ったより艶かしい感じで、原作読んで思ってた感じとだいぶ違いましたが、原作より見どころ?出番が多くてかっこよさが堪能できました。松村さんご本人の感じがすごい忍者っぽいですよね。なんていうんだろう、雰囲気が。

ちなみに千里丸と桜のダンスはあれは何だったの・・・・?性の目覚めか何か・・・・?(理解力が足りていない)

 


アンサンブルの皆さんも人数少ないのに寂しさを全く感じさせなくてよかったです!

でもなんかめちゃくちゃ気になったところがあって、銅吹き所の職人の皆さんの半ダコが、なんか、緩そう?というか、現代の伸びる素材の下着に見えて、もう少しかっこいい感じのは無かったのだろうかと思いました。なんで灰色だったんだろう。不思議なファッションアイテムでした。普通の半だこでも動きを妨げるようなものではないからいいと思うんですけどね。


巽も灰色だったのかな。

巽の感想も大阪公演に回したいと思います!千里丸が出てる所は千里丸見てたのであまりちゃんと見れてないです。アクロバットはすごかった!!

2幕で私服で出てきた時に私服めっちゃ派手!!!ってなった。

 

 

あとは演出面の話で、視覚の演出がとてもよかったです。人の並べ方というか構図の作り方とか、OPとか。

そもそもOPのあるお芝居って好きなんですけど、そこでキャラクターの顔見せというか、ああいうのとてもウキウキするし、役の顔と名前が初めに分かって助かりました。(たまに最後まで顔と名前が一致しなくて、後でパンフレット見てもビジュアルが違いすぎてどれが誰だったのか分からない時とかあるので・・・・・)

あとプロジェクターで文字映すの個人的に好きなんですよね。なんか、文字情報ってかっこいいんですよ。


千里丸が踊る時の黒い夜に赤い月も、画がすごくかっこよかったです。コロスの方が持ってたオレンジの灯りもとてもきれい。

それと対?になるのかならないのか分かりませんが紅羽の白青の風も美しかったです。


士郎左のとこでちょっと話したんですけど、殺陣のシーンだけでなく、人の並べ方がとてもかっこよかったです。OPの1番最初の一瞬シルエットが出た瞬間にぞくぞくしました。このお芝居は好きだなと確信しました。ここに来て開幕の話!?って感じですが(笑)

 


なんかでも、演出が変わったこともありますが、東京公演と大阪公演の感想をちょっと見た感じ、名古屋公演は当初見せたかったものではなさそうで、それはそうなんですけど、出演者のコンディションとかによってパワーバランスというか、作品自体の印象が変わるお芝居って面白いですよね。印象どころか、役の人間性とか全体のテーマまで変わってしまう。

具体的に言うと私が見た回はほぼ千里丸と士郎左の胸熱友情物語でした。あれはあの二人がよすぎた。

でもこれって生の人間がやってる醍醐味だと思います。個人的には当たりなのでよかったです。

 


最後に、原作は登場人物の意志よりも太子様の御心みたいなのが重要視されてそうな印象でしたが、人が演じる舞台では未来は自分で切り開くみたいな、そういう人ならではのテーマになったのが素敵だなと思います。人間の力をより感じました。

あと、見た感じですが一部のファンの方が来るか迷って、迷った結果、来た人も来なかった人もいたんですよね。自分が何のために生きてて何を選択して未来をどう生きるか、ってのは客席にいる人も同じなんだな〜と強く感じました。

登場人物それぞれに信念と志があって、出演者にもそれぞれの信念と志があって、客席の皆にもそれぞれの信念と志があって、いつの時代も、誰にでも当てはまるいいテーマだなと思いました。

 


千里丸と士郎左がよすぎてチケット買い足したので、大阪公演も楽しみです!

おまけにレポ絵を載っけておきます。あんまり上手じゃなくてすみませんが・・・

 

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